猫の排せつでわかる病気のサイン おしっこ・うんちの見方と対策

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病気 サイン 猫

猫は体調不良を隠す習性があり、気づいたときには病気が進行していることも少なくありません。

そのサインを早期にキャッチできるのが「トイレでの排せつ」

おしっこやうんちの量・色・回数を観察することで、腎臓病や膀胱炎、消化器疾患などの異常を早めに見つけられます。

この記事では、猫の排せつでわかる病気のサイン・受診の目安・家庭でできる対策を獣医師がわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること
  • 猫の排せつでわかる異常
  • 病院を受診するタイミングの見極め方
  • お家でできる対策・工夫
あんこ

この記事を読み終える頃には、あなたも愛猫の健康を守る「おしっこ・うんちマスター」になれるはず!

この記事を書いた人
  • アリからゾウまで、生き物大好きな獣医。
  • 犬・猫・鳥など飼育経験あり。現在は猫下僕。
  • 猫を2匹飼っている
目次

猫のトイレでわかる病気のサインとは?

なぜ「排せつチェック」が大事なのか

猫は体調を隠す天才です!

野生時代の猫は肉食動物として生きていました。
弱っている姿を見せると、敵に襲われて命を落としたり、仲間から縄張りを奪われる危険があったのです。

そのため、「弱みを見せない」習性を今も受け継いでおり、痛みや不調を隠すのは生存本能によるものです。

たとえ元気そうに見えても、排せつに異常があれば体調を崩しているサインかもしれません。

尿や便は猫からの唯一のSOSであり、健康の鏡ともいえる存在。
毎日の観察が、病気の早期発見につながります。

正常な排せつの目安(回数・量・色・形)

  • おしっこ:1日2〜3回、淡い黄色、強すぎないにおい
  • うんち:1日1回前後、バナナ状かコロコロ、茶色〜こげ茶色

まずは、「正常なおしっこやうんち」を知っておくことが大切です。

観察のポイントは、回数・量・色・形の4つを意識して観察することです。

あんこ

この基準から外れると病気のサインかもしれません。普段の排せつの状況をしっかり把握しておきましょう!

猫のおしっこの異常サインと考えられる病気

おしっこの異常サインと考えられる原因です。

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サイン・症状考えられる病気・原因緊急度補足・注意点
おしっこが少ない/出ない膀胱炎、尿路閉塞特にオス猫は命に関わる緊急疾患。
おしっこの回数・量が多い糖尿病、腎不全、ホルモン異常水を大量に飲んでいる場合も要注意。
おしっこの色が変(赤い・濁っている)膀胱炎、尿路結石、細菌感染、炎症血尿、濁り、結晶状のものが見える場合は受診を。
何度もトイレに行くのに少量しか出ない膀胱炎膀胱炎の代表的な症状。
トイレに長くいる/痛そうに鳴く/うずくまる姿勢排尿時の痛み、膀胱炎や尿路疾患行動からも異常を読み取れる重要なサイン。

おしっこのサイン

おしっこが少ない/出ない

おしっこの量が極端に少ない、または全く出ていない場合は、膀胱炎や尿路閉塞の可能性があります。
特にオス猫は尿路閉塞が命に関わる緊急疾患なので、24時間以上出ていないときは至急受診をしましょう。

おしっこの回数が多い・量が多い

糖尿病や腎不全、ホルモン異常が考えられます。
水を大量に飲んでいる場合も要注意です。

おしっこの色が変(赤い・濁っている)

おしっこに血が混じっている場合は膀胱炎・尿路結石の可能性があります。
尿が濁っていたり、キラキラした結晶のようなものが見えたりする場合は、細菌感染や炎症の可能性があります。

普段の色と比べて少しでも違和感があれば受診をしましょう。

排尿時の行動から読み取るサイン

  • 何度もトイレに行くのに少量しか出ない :膀胱炎の代表的な症状
  • トイレで長時間しゃがむ、痛そうに鳴く、うずくまる姿勢をとる : 排尿時の痛みが疑われます

何度もトイレに行くのに少量しか出ない、という行動は膀胱炎の代表的な症状です。

また、トイレにいる時間が長い、痛そうに鳴く、うずくまるような姿勢をとる場合は、排尿に痛みを伴っている可能性があることを伝えます。

あんこ

排尿時の行動も、病気を見抜く大切なサインになります!

猫のうんちの異常サインと考えられる病気

うんちの異常サインと考えられる原因です。

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異常の種類サイン考えられる原因・病気緊急度注意点
便秘2日以上出ない/硬すぎる便脱水、運動不足、巨大結腸症、腎臓病初期など長引く場合は早めに受診
下痢柔らかい/水っぽい食べすぎ、食事の急な変更、寄生虫、ウイルス感染、炎症性腸疾患1日以上続く・ぐったりしている場合は要受診
黒い便タール状の黒っぽい便消化管内での出血緊急性が高い場合あり
白っぽい便灰色〜白っぽい色肝臓・胆のう・膵臓の異常消化器疾患のサイン
血が混じる便赤い血がついている大腸炎、寄生虫感染便の状態・頻度を記録し受診を
異物混入おもちゃの破片、白く細いもの(寄生虫など)異物誤飲、寄生虫感染異物が見えたらすぐ相談
便秘(うんちが出ない・硬い)

2日以上出ない場合や硬すぎる便は便秘の可能性があります。
脱水や運動不足の他、巨大結腸症*や腎臓病の初期症状の場合もあり、長引く場合は注意が必要です。
*巨大直腸症:結腸が異常に拡張し、その運動機能が低下することで重度の便秘を引き起こす病気です。何度もトイレに行くが硬く少量の便しか出ない、便秘が続くと嘔吐や食欲不振、体重減少などが現れます。

下痢(柔らかい・水っぽい)

食べ過ぎや食事の変化で一時的に下痢をすることもありますが、寄生虫やウイルス感染、炎症性腸疾患(IBD)*のサインの場合もあります。
繰り返す場合は、受診が必要です。
*炎症性腸疾患(IBD):胃や小腸、大腸の粘膜に原因不明の慢性的な炎症が起こる病気です。嘔吐、下痢、血便、食欲不振、体重減少などの消化器症状を引き起こします。

便の色が変(黒い・白っぽい・血が混じる)

便の色は、わかりやすいサインです!
・黒い:タール状*の黒っぽい便は、消化管内での出血が原因である可能性があります。
 *タール状:黒く粘り気がある便。まるでタールのようにベタッとした状態です。
・白っぽい:膵臓や胆道系の異常、うんちが白っぽい場合は、肝臓胆のうの機能異常のサインです。
・血が混じる:大腸炎や寄生虫の可能性があります。
・異物:おもちゃの欠片などが混じっていないか。白くて細いものは、寄生虫の可能性があります。

あんこ

便の色や形、硬さの変化は、体内の臓器トラブルを示す「赤信号」!普段との違いを早めに気づいてあげることが大切です。

もっと簡単に猫の行動をモニタリング!頼りになる行動モニターデバイスCatlogについて、詳しくレビューしている「猫の行動を丸わかり!!行動モニターデバイスCatlogを使ったリアルレビュー」という記事もあるので、ぜひ合わせてご覧ください!

病院を受診するべきタイミング

すぐに受診すべき危険サイン

  • 24時間以上おしっこが出ていない
  • 頻繁にトイレに行くのに尿が出ない
  • 繰り返す下痢や嘔吐
  • 血尿・血便

これらは命に関わる場合があります。特に血尿が見られたときは、自己判断せず、すぐに動物病院へ行きましょう。

また、普段と明らかに様子が違う、食欲がない、ぐったりしているといった場合も早急な受診が必要です。

早めに相談すべきサイン

  • 便秘が2日以上続く
  • 尿や便の色が普段と違う
  • 食欲低下、元気低下、排せつ異常

1日様子を見て変化がない場合」や「症状が継続している場合」は、早めに獣医師へ相談しましょう。

あんこ

少しでも気になるときは、獣医師に相談するのが安心です。

自宅でできる!猫のトイレ環境と水分補給の対策

トイレ環境の工夫

  • トイレの数:猫1匹につきトイレ2個が理想
  • トイレのサイズ:猫の体の1.5倍以上が目安
  • トイレの場所:静かで落ち着けるスペースに設置
  • 猫砂:猫の好みに合わせて種類を調整
  • こまめな掃除:毎日こまめに掃除して清潔を保つ

猫は、きれいで広いトイレを好みます。

汚れていたり、落ち着かないと、排せつを我慢してしまい病気につながることも。

「猫の数+1」のトイレの数と好みの猫砂を用意してあげましょう。

あんこ

猫の好みのトイレを用意してあげることが重要です。

きれいなトイレをキープするなら、自動トイレがオススメ!!レンタルできるmirutoの「Coco」についてレビューしている「【クーポンあり】猫用スマートトイレ「miruto」レビュー|レンタルでお得に試せる!」という記事もあるので、ぜひ合わせてご覧ください!

水分摂取を増やす工夫

  • 水飲み場の増設:家の数か所に置くと飲みやすい。
  • ウェットフードの活用:水分80~90%を含み、効率的に水分補給できる。
  • 自動給水器:流れる水は猫の飲水意欲を高める。

猫はもともと水をあまり飲まず、獲物から水分をとる習性があります。

そのため、家では水飲み場を増設したり、きれいな水を用意したりして、飲水を促す工夫が必要です。

また、食事をウェットフードに置き換えるだけで、効率的に水分をあたえることができます!

あんこ

また、流れる水は猫の飲水意欲を高めるため、自動給水器の導入もおすすめです!

mirutoは自動給水器「Mona」もレンタルで試せます!!是非合わせて読んでみてください!

まとめ|猫の排せつは健康の鏡!異常を感じたら早めに病院へ

尿や便は猫の健康サインを映す「鏡」です!

回数・量・色・においを日々チェックすることが病気の早期発見につながります。

ちょっとした工夫で猫の健康を守れます!

「普段と違う」と感じたら、自己判断せずに早めに動物病院へいきましょう!

あんこ

これであなたもオシッコ・うんちマスター!毎日のチェックで、愛猫の健康と幸せを守ってあげましょう!


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